グルジアが火ぶたを切って落としたロシアとの戦い、
国連の停戦勧告やフランスによる停戦調停を受けて集結しそうだが、
遠く離れた北京でも両国は戦っていた。
たくさんある競技と参加国、ましてやロシアはほとんどすべての競技に参加しているから、いつかどこかでグルジアとの対戦があるかと思ったけれども、それは女子ビーチバレーだった。
華やかで、戦争という暗い影から最も遠い競技のようにも思えたが。
かなりピリピリした張りつめた試合であったらしい。
(リアルタイムで見ていない、深夜のケーブルテレビで探してみよう)
ロシアのAlexandra Shiryaeva・Natalia Uryadova組がグルジアのAndrezza Chagas・Cristine Santanna組に敗北したことについてインタビュアーの突っ込んだ質問、「ロシアがグルジアに負けたことはどう思うか?」といういささかイライラするものを受けて、ロシアのNatalia Uryadova選手は「わたしたちは、実際にはグルジアチームと試合したのではない。ブラジル人の友人と試合をした」と話したらしい。
競技自体は普通に行われたのだが、応援席や報道陣など、戦争の当事者同士であるからどうしても張りつめた雰囲気となったのはしょうがない。第二次大戦中の日本とアメリカなら試合自体も成立しないだろう。
ロシア・グルジア間の流血の軍事衝突、というかあれは完全に戦争だよね。
グルジアはロシアにとってみれば黒海へとつながる重要な地勢にある国で、ロシアとしてはぜひとも傘下に収めたい。
一方、グルジアは何としても独立したいとするグルジア人と、ロシアに寄り添いたいロシア系の人とで国が割れていて、今回の侵攻もロシアに攻め入ったというよりはロシアに寄り添う同胞に対しての戦火であったともいえる。
今回のビーチバレー対決、両チームのプレーに祖国の軍事衝突が影響を及ぼしたかとの共同会見の記者団からの質問に対して、ロシアの代表選手のUryadovaはイライラを抑えきれない様子で、「彼女らがグルジア人であったなら間違いなく影響があっただろうが、彼女らはグルジア人ではない、ブラジル人である」と述べたそうである。
ロシアもグルジアもビーチバレーでは大したチームではない。両チームはそれぞれ第22シードと第15シードで、たくさんある入賞を目指すレベルの国の一つでしかない。確かに試合前の成績はともに0勝2敗と、それを反映するものだった。
しかし、グルジアとロシアのビーチバレーの対戦は、政治からフリーのオリンピックの場にありながら、どうしても、両国の流血を伴う軍事衝突によってグルジア対ロシアという象徴的な意義を持ったわけだ。
ロシアの選手がそう述べたように、グルジアのChagasとSantanna両選手はブラジル生まれであり、強化のための移民である。最近になってグルジア国籍を取得したばかりである。
グルジアにとってそれが国を挙げた国威発揚のための両選手獲得であったのは、それぞれグルジア名のRtveloとSakaの名前で両選手が五輪に参加していることから明らかである。
グルジアはロシアの呼び方で、古代ギリシャ時代から存在するこの国は両選手の名前を合わせたものが本来の名前である。
Sakartvelo、これこそがグルジア語でグルジアを意味する本当の言葉になる。
Santannaは、Uryadovaの発言に対し、「わたしはグルジア人だと感じている。グルジアとブラジルの両方のパスポートを持っている。(五輪参加)24チームの一員となるため、2年間にわたって頑張ってきた」と言い返し、「わたしたちの間で戦争になってほしくない。彼女らのことを評価しているし、選手として尊敬している」と述べたそうだ。
実際にはロシア隊グルジアの試合前や試合中に、それぞれの国の選手が憎しみをぶつけ合う様子は見られなかったという。当たり前だよね。
まあ、こういう話題を引っ張ってブログで記事を書いている私も含めて、戦争の対決を個人レベルまで落としこむことはできれば今後は避けたいなと思うのである。
posted by ぺきんごりん at 19:31
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